「デジタル終活」とシニアライフの両立を考える:家族に優しい未来設計と生き生きとした毎日を楽しむ方法とは?

■はじめに

終活にデジタルの視点を取り入れる重要性

終活は「家族や自分自身のために人生の整理を行う活動」として広く知られています。従来は相続やお墓、遺言に関する内容が中心でしたが、近年「デジタル終活」という新しい視点が注目を集めています。
国民生活センターは、デジタル資産の整理を進めることで、家族の負担を軽減し、トラブルを防ぐことの重要性を訴えています。SNSアカウントやネット銀行、サブスク契約など、私たちが日々利用するデジタルサービスが家族の相続や解約時に大きな課題となることがわかっています。以下の順で解説して参ります。

1.デジタル終活の現状と課題
2.今からできるデジタル終活の具体的対策
3.充実したシニアライフを楽しむための地域活動
4.スムーズな終活を進めるためのポイント
5.まとめ:デジタル終活とシニアライフの両立

1.デジタル終活の現状と課題

実例から見るトラブルの現状

80代女性の例:夫が亡くなった後、サブスクの請求が続き解約しようとしたが、IDやパスワードが不明で手続きに困難を経験。
60代男性の例:亡き兄のネット銀行口座の確認ができず、スマホのロック解除ができなかったため銀行取引の詳細が不明。

デジタル資産とは何か?

デジタル終活で整理すべき資産には、以下のようなものがあります:

・ネット銀行口座、インターネット証券
・スマホ決済やサブスク(動画、音楽、クラウドサービスなど)
・SNSアカウント、ブログ
・クラウドに保存されたデータ(写真、書類)

これらの資産は、適切な準備がなければ家族にとって解約や確認が難しいことが特徴です。遺族が不慣れな場合や専門知識が不足していると、さらに時間と手間がかかることがあります。

2.今からできるデジタル終活の具体的対策

基本の対策

・IDとパスワードをリスト化する:紙やデジタル管理ツールを活用して、契約しているサービスの情報をまとめておきましょう。

・エンディングノートに記載:デジタル資産や連絡先情報をエンディングノートに残すと、家族が困ることを未然に防ぐことができます。

未然にトラブルを防ぐためのツール活用

・Appleの「データ引き継ぎサービス」
事前登録しておけば、家族がiCloud上の写真やデータにアクセス可能。

・Googleの「データアクセス管理機能」
アカウントの一部情報にアクセスを許可する設定ができ、細かい管理が可能。

利用状況が不明な場合の対応策

・銀行引き落とし履歴やクレジットカードの明細確認:利用していたサービスを特定する手がかりになります。

・公的書類の提出:各サービスの提供元に死亡証明書などを提出することで、解約や確認が可能です。

専門家に相談する重要性

デジタル終活は技術的、法的な知識を要する場面が多くあります。
行政書士やITコンサルタントなど、専門家に相談することで、効率的でトラブルのない整理が進められます。特に、資産運用や法的手続きが絡む場合、専門家のサポートは欠かせません。

3.充実したシニアライフを楽しむための地域活動

新宿区で進むシニア向け取り組み
東京都新宿区では、シニア世代がいきいきとした生活を送るためにさまざまなイベントや支援活動が行われています。これらの取り組みは、高齢者の健康維持や新しい趣味の発見、さらには地域社会とのつながりを深めることを目的としています。

代表的なイベントの例:

・認知機能測定
タブレット端末を用いて記憶力や認知機能をチェックする体験会を実施。参加者は自身の認知機能の状態を知ることで、予防や改善への意識が高まります。

・メイクやカラー診断講座
シニア世代に似合うメイクや色使いを学ぶ体験型イベント。外見を磨くだけでなく、自己肯定感を高め、毎日の生活がより豊かになります。

参加者の声:
「新しいメークに挑戦して気分が上がり、毎日の生活がより楽しくなった」
このような前向きな感想が多数寄せられており、心身ともに充実した時間を提供しています。

シニア世代の社会参加を促進する取り組み

新宿区では、高齢者が社会とのつながりを保ち、定年後も意欲的な活動を続けられるよう、次のような支援を行っています。

・職業紹介や仕事相談
シニア世代が働く場を見つけられるよう、専門家による相談会や職業紹介を実施。経験やスキルを活かし、社会に貢献する機会を提供しています。

・ボランティア活動の推進
地域の清掃活動や子どもたちへの読み聞かせといった、シニア向けのボランティア情報を発信。これにより、地域とのつながりを深めるだけでなく、自身のやりがいや生きがいを見つけることができます。

成功例:
ある参加者は、「定年後も地域の活動に携われることで、自分の存在意義を感じる」と話し、仕事を離れても社会との結びつきを持ち続ける重要性を実感しています。

健康で楽しいシニアライフのために

新宿区の取り組みは、単なる高齢者支援にとどまらず、心身の健康を維持しながら地域での新しい居場所を見つけるきっかけを提供しています。これからも、多くの自治体や地域で、シニア世代が充実したライフスタイルを送るための支援が広がっていくことが期待されます。

4.スムーズな終活を進めるためのポイント

専門家のアドバイスを受ける
遺言書作成やデジタル資産の整理など、専門知識が必要な項目は、行政書士等に相談するのが効果的です。第三者の視点を取り入れることで、トラブルを未然に防ぎ、安心感を得られます。

自分に合った方法を選ぶ
終活は一律ではなく、それぞれの価値観や状況に応じて最適な形があります。例えば、デジタルツールを活用した資産管理や家族へのメッセージ作成など、現代ならではの手法を取り入れるのも有効です。

未来を安心して迎えるために
デジタル終活は過去を整理する行為であると同時に、未来への希望を形作るプロセスです。地域活動や趣味を通じた積極的な日常を送りながら、終活を計画的に進めることで、心穏やかで豊かな日々を過ごすことができるでしょう。

5.まとめ:デジタル終活とシニアライフの両立

デジタル終活は、家族への負担を軽減し、自身の意思を確実に伝えるための「最後のプレゼント」といえます。しかし、それは決して悲観的な活動ではなく、今後の生活をより豊かにするためのステップでもあります。

終活を進める中で、地域活動や趣味に積極的に参加することは、心身の健康を保ち、人生を楽しむために不可欠です。新たな人との交流や挑戦を通じて、自分らしい充実したシニアライフを送ることが可能です。

デジタル終活やシニアライフに関するご相談は、ぜひ当事務所にお任せください。専門家が親身になってお手伝いいたしますので、お気軽にお問い合わせください。


出典:国民生活センター「デジタル終活」特設ページ
(https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20241120_1.html)

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