遺産相続で姉妹が激突! 遺言書が招いた落とし穴とエンディングノートの重要性!

はじめに

遺言書は、残された家族への最後のメッセージであり、財産分与の重要な手段です。しかし、思いがけない形で家族間の争いを引き起こすこともあります。今回は、「長女にはタワーマンション、次女には預貯金を」という父の遺言が、なぜ仲が良かった姉妹を引き裂いたのかを詳しく見ていきます。また、エンディングノートの作成や専門家への相談がいかに重要かについても以下のとうりに触れていきます。

1.背景
2.トラブルの発端
3.エンディングノートの重要性
4.争いの激化とその後
5.問題の解決は困難に
6.教訓と対策
7.まとめ

1.背景

Aさんは、都内のタワーマンションで一人暮らしをしていました。妻に先立たれ、しばらくはふさぎ込んでいましたが、少しずつ生活が落ち着き、妻が亡くなってから始めた料理や友人たちとの外出を楽しむ日々を送っていました。
妻の三回忌が近づく中で、ある時友人たちとの飲み会で終活の話題が出たことをきっかけに、自分も遺言書を作成しようと決意します。
そこで、Aさんは、終活セミナーに申し込み、そのセミナー講師に相談し、公正証書遺言を作成することを決めました。

近くに住む長女は、妻がなくなるまで、妻の面倒をよく見てくれていました。そこで長女にタワーマンションを、遠くに住む次女には預貯金を分けることで、姉妹間の揉め事を避けられると考えました。遺言書には、長女にはタワーマンション、次女には銀行預金を相続させることを記載しました。

2.トラブルの発端

ところが、この遺言がトラブルになりました。妻の三回忌での親子3人の飲み会で、Aさんは初めて遺言の内容を子どもたちに話しました。すると、次女が「タワーマンションの価値が高すぎる」と不満を抱き、長女がそれに反論する形で言い争いが始まりました。相続税評価額と実際の市場での価格の開きが問題になりました。この時点で、姉妹間の心の距離が浮き彫りになり、争いが避けられない状況となってしまいました。

3.エンディングノートの重要性

遺言書を作成する前に、エンディングノートの作成から始めることが重要です。エンディングノートは、自分の意思や希望を詳細に記すためのものであり、家族や関係者にとっても大切なガイドラインとなります。Aさんも、まずはエンディングノートを作成し、財産や思いを整理していくことが必要でした。
また、エンディングノートを作成する段階から専門家に相談することが非常に重要です。専門家のアドバイスを受けながら家族と話し合いを進めることで、より納得のいく遺言書を作成できたでしょう。

4.争いの激化とその後

その後Aさんは遺言書を書き直すことなく亡くなってしまいました。Aさんの死後、姉妹間の関係はさらに悪化し、次女が調停を申し立てる事態にまで発展しました。次女はタワーマンションの価値を過大評価し、長女は母の世話をしたことを強調する形でお互いに譲らない状況が続きました。

5.問題の解決は困難に

相続財産は「塩漬け状態」となり、固定資産税や管理費などの費用がかさむばかりで、話し合いは進展しませんでした。長女はマンションに住むことを避け、次女は弁護士を通じて調停を進めるものの、双方の主張が平行線をたどるばかりでした。

6.教訓と対策

■争いを避けるためには、以下のポイントが重要です。

・エンディングノートの作成: 自分の意思や希望を明確に記すことで、家族間の誤解を防ぐことができます。

・専門家への相談: エンディングノート作成の段階から専門家に相談し、遺言書作成時にも専門家の意見を取り入れることで、法的にも心理的にも納得のいく内容を作成できます。

・家族との話し合い: 遺言書の内容について家族と事前に話し合い、全員が納得する形を目指すことが大切です。

7.まとめ

遺言書は家族への最後のメッセージであり、慎重に作成する必要があります。エンディングノートの作成から始め、専門家の協力を得ながら家族と話し合いを進めることで、遺産相続に伴う争いを避けることができます。今回のAさんのケースから学び、自分の意思を正しく伝えるための準備をしっかりと行いましょう。


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